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2026.08.16AI活用

PowerPointの自作カウントダウンタイマーを35秒から30秒へ。35枚を一括で直した日

イベントや定例会のスライドでよく使われる「カウントダウンタイマー」。市販のアドインではなく、PowerPointのアニメーション機能だけで自作されているものがあります。

今回いただいたご依頼は、このタイマーを35秒から30秒に変えたい。ただし対象は51枚目から90枚目まで、というものでした。結論から書くと、手作業なら1260回のクリックが必要な作業を、ファイルの中身を直接書き換えることで手作業ゼロで終わらせています。

この記事では、その中身と手順を残しておきます。

そもそも、自作タイマーはどうやって動いているのか

ファイルを開けて調べたところ、1枚のスライドの中はこうなっていました。

  • 横に伸びる「タイマーバー」が1本。これにワイプ(右)の終了アニメーションがかかっていて、35秒かけて消えていく
  • その横に、0から35までの数字が書かれたテキストが36枚、ぴったり同じ位置に重ねて置いてある
  • 一番上の「35」が1秒後に消えて「34」が見える。2秒後に「34」が消えて「33」が見える。これを35回くり返す
  • 最後の「1」が消えるところにだけ、効果音がひとつ仕込んである

つまりパラパラ漫画です。数字が減っているように見えて、実際は上から1枚ずつはがされているだけ。よくできた作りでした。

なぜ「継続時間を30秒にする」だけでは直らないのか

ここが今回いちばん大事なところです。

アニメーションウィンドウでバーの継続時間を30秒に変えると、バーは確かに30秒で消えます。でも数字は35から始まったまま。30秒経った時点でまだ「5」を表示していて、そこで止まります。

数字はバーとは別物だからです。正しく30秒のタイマーにするには、次の3つをセットで直す必要があります。

  1. バーの継続時間を35秒から30秒へ
  2. 31から35までの数字の図形を削除する(これで開始表示が30になる)
  3. 残った30枚が消えるタイミングを、1秒後から30秒後へ振り直す

3つ目を忘れると、30から始まるのに最後の5秒が無言で余る、という状態になります。

手作業だと何回のクリックになるか

数えてみます。

作業 1枚あたり 35枚分
バーの継続時間の変更 1回 35回
数字の図形の削除 5回 175回
タイミングの振り直し 30回 1050回
合計 36回 1260回

1回3秒で済んだとしても、休みなしで1時間以上。しかも重なった図形をひとつずつ選び直す作業なので、実際にはもっとかかりますし、1か所ずれても気づきにくい種類のミスが出ます。

pptxの中身を直接書き換える

pptxファイルは、拡張子を変えると分かりますが中身はZIPです。展開すると、スライド1枚ごとにXMLファイルが入っています。

やったことは単純で、対象スライドのXMLに対して、

  • バーのアニメーションの継続時間を、35000ミリ秒から30000ミリ秒へ書き換える
  • 「秒数031」から「秒数035」という名前がついた図形のかたまりを取り除く
  • 残ったアニメーションの開始タイミングを、それぞれ5000ミリ秒ずつ前倒しする

という処理をかけただけです。所要時間は数十秒でした。

作業前に必ずやったこと

ファイルを壊さないために、3つ守っています。

元ファイルには触らない。 複製に対してだけ作業し、できたものは別名で保存しました。差し替えるかどうかは人間が判断します。

思い込みで進めない。 51枚目から90枚目まで40枚ある、と聞いていましたが、実際に全125枚を調べたところ、そのうち5枚はタイマーのないチーム紹介スライドでした。数を確かめずに「40枚ぜんぶ」と処理していたら、無関係なスライドを触るところでした。

終わったら検証する。 変更後のファイルを開き直して、ZIPが壊れていないこと、すべてのXMLが正しい形であること、そして変更されたのが対象35枚のXMLだけで、それ以外はバイト単位で元と完全に一致することを確認しました。「それ以外は一切いじらないで」というご依頼だったので、ここは機械的に証明できる形にしています。

この作業で学べること

パワポに限らず、WordやExcelも同じで、中身はXMLの集まりです。だから「アプリの画面でポチポチやる作業」は、ほとんどが「テキストの書き換え」に置き換えられます。

100回同じクリックをしているなと感じたら、それはAIに任せられる作業のサインです。大事なのは、AIに丸投げするのではなく、

  • 元データは必ず残す
  • 触っていい範囲を先に決める
  • 終わったあとに、触っていない証明をする

この3つを最初に決めておくこと。TOMIFULLでAI社員に仕事を振るときも、まったく同じルールで動かしています。

よくある質問

Q. アニメーションの継続時間を変えるだけではダメなのですか。

数字が1枚ずつ重ねてある作りだと、それだけでは足りません。バー・図形・タイミングの3点セットで直す必要があります。

Q. 1枚あたり何回の設定変更が必要ですか。

35秒から30秒のケースで36回でした。35枚だと1260回です。

Q. pptxを直接書き換えても大丈夫ですか。

複製に対して作業し、あとから検証すれば安全に行えます。元ファイルを直接編集するのは避けてください。


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